黒のウイングチップは、最初は敷居が高く見える。でも、意外と使い勝手が良い。
ロングウイングブルーチャーは、アメリカのビジネスカジュアルを代表するシルエットです。かかとまで延びるW字のウイングチップと、360度のブローグパーフォレーション。クラシックな外観でありながら、ビジネスとカジュアルの境界を軽やかに越えていきます。
アッパーにはTannerie d'Annonay(アノネイ社)のFrench Calf。1838年創業のフランスの名門タンナーによるカーフレザーで、きめ細かく引き締まった革質が特徴です。アウトソールはダブルベンドレザーソールにブラックエッジステイン。アッパー・ウェルト・エッジがすべてブラックで統一されることで、ロングウイングの豊かなディテールがより端正に引き締まります。
少しドレス寄りのシルエットですが、デニムやチノパンとも合わせられる懐の深さがあります。特にキレイ目なコーデに合わせるとバランスが良くなります。
フナナカ洋装店としての一言
日本ではロングウイングを「おじさんの靴」と感じる方も多いと思います。バブル期のビジネスマンのイメージが根強く残っているからかもしれません。ただアメリカでは、ロングウイングはむしろ若い世代が積極的に選ぶアメリカンクラシックとして再評価されています。
J.Crewがスーツとロングウイングを組み合わせたスタイリングを打ち出したことで、20〜30代にも「デニムにもスーツにも合う靴」として定着しました。
逆に靴への理解が深まった人ほど、プレーントゥやホールカットといった装飾のないシンプルな靴に移行していく傾向があります。「おじさんがプレーントゥを選ぶ」のは、シンプルな靴ほど難しいという境地に至るからかもしれません。
最初はハードルが高く感じるかもしれませんが、履き始めると意外なほど出番が多い。スーツにも、ジャケットにも、デニムにも収まる。その守備範囲の広さが、この靴の本質です。
Grant Stone|Longwing Black French Calf
・アッパー:Tannerie d'Annonay French Calf(Black)
・ライニング:フルグレインレザー(ミルウォーキー産)
・インソール:ベジタブルタンドレザー
・ミッドソール:レザー+コルク
・アウトソール:ダブルベンドレザーソール(ブラックエッジステイン)
・シャンク:スチール
・製法:グッドイヤーウェルト(スプリットリバースウェルト)
・パターン:ロングウイングブルーチャー(360度ブローグ)
・ラスト:Leo
・生産国:中国(厦門)Tannerie d'Annonay French Calfについて
フランス・アルデシュ地方の名門タンナー、Tannerie d'Annonay(1838年創業)によるカーフレザー。現在はエルメスの親会社グループHCPが所有。きめ細かく引き締まった革質で、磨き込むほどに深みのある艶が出ます。

















