黒のウイングチップは、最初は敷居が高く見える。でも、意外と使い勝手が良い
ロングウイングブルーチャーは、アメリカのビジネスカジュアルを代表するシルエットです。かかとまで延びるW字のウイングチップと、360度のブローグパーフォレーション。クラシックな外観でありながら、ビジネスとカジュアルの境界を軽やかに越えていきます。
アッパーにはTannerie d'Annonay(アノネイ社)のFrench Calf。1838年創業のフランスの名門タンナーによるカーフレザーで、きめ細かく引き締まった革質が特徴です。アウトソールはダブルベンドレザーソールにブラックエッジステイン。アッパー・ウェルト・エッジがすべてブラックで統一されることで、ロングウイングの豊かなディテールがより端正に引き締まります。
少しドレス寄りのシルエットですが、デニムやチノパンとも合わせられる懐の深さがあります。特にキレイ目なコーデに合わせるとバランスが良くなります。
■ 素材・スペック
・アッパー:Tannerie d'Annonay French Calf(Black)
・ライニング:フルグレインレザー(ミルウォーキー産)
・インソール:ベジタブルタンドレザー
・ミッドソール:レザー+コルク
・アウトソール:ダブルベンドレザーソール(ブラックエッジステイン)
・シャンク:スチール
・製法:グッドイヤーウェルト(スプリットリバースウェルト)
・パターン:ロングウイングブルーチャー(360度ブローグ)
・ラスト:Leo
・生産国:中国(厦門)
Tannerie d'Annonay French Calfについて
フランス・アルデシュ地方の名門タンナー、Tannerie d'Annonay(1838年創業)によるカーフレザー。現在はエルメスの親会社グループHCPが所有しています。きめ細かく引き締まった革質で、磨き込むほどに深みのある艶が出ます。
■ 着用シーン
スーツからデニムまで、幅広く対応します。ロングウイングは、グッドイヤーウェルトの靴の中でも特に守備範囲が広いシルエットです。スーツ・ジャケット・チノ・デニム、いずれにも合わせられます。特に、ネイビージャケットにグレーパンツ、チノにニットといったキレイ目なカジュアルスタイルとの相性が抜群です。
■ お手入れ
シューツリーを入れ、馬毛ブラシでホコリを払うことが基本です。乾いてきたと感じたら、ブラック系のクリームを薄く塗り込んでブラッシングしてください。磨き込むほどに艶が深まるのが、French Calfの醍醐味です。雨の日は避けてください。濡れた場合は、熱を避けて自然乾燥させてください。
レザーソールは、履き始めは返りが硬めに感じますが、Leoラストの形状が優秀なため比較的早く馴染んできます。雨の日も履きたい方は、つま先にラバーハーフソールを貼るのも現実的な選択肢です。
グッドイヤーウェルト製法のため、ソールが摩耗しても交換が可能です。リソールを繰り返すことで、同じ一足を何十年と履き続けられます。
■ サイズ感・選び方
足長(かかとから一番長い指先まで)の実寸に、約0.5cmを足したサイズが目安です。スニーカーのサイズからは、約1cm下げたサイズが目安になります。
(参考)店主は足長25.5cm、スニーカーは27.0cmを履くことが多く、Grant StoneはUS 8.0D(26cm)を履いています。
他のグッドイヤーウェルト靴をお持ちの方は、その靴のサイズも参考にしてください。
サイズの目安表は商品画像の最後をご覧ください。迷う場合は、普段履きのブランドとサイズを教えていただければご案内します。
フナナカ洋装店としての一言
日本ではロングウイングを「おじさんの靴」と感じる方も多いと思います。バブル期のビジネスマンのイメージが根強く残っているからかもしれません。ただアメリカでは、ロングウイングはむしろ若い世代が積極的に選ぶアメリカンクラシックとして再評価されています。
J.Crewがスーツとロングウイングを組み合わせたスタイリングを打ち出したことで、20〜30代にも「デニムにもスーツにも合う靴」として定着しました。
逆に靴への理解が深まった人ほど、プレーントゥやホールカットといった装飾のないシンプルな靴に移行していく傾向があります。「おじさんがプレーントゥを選ぶ」のは、シンプルな靴ほど難しいという境地に至るからかもしれません。
最初はハードルが高く感じるかもしれませんが、履き始めると意外なほど出番が多い。スーツにも、ジャケットにも、デニムにも収まる。その守備範囲の広さが、この靴の本質です。

















