WORKERSのツールバッグ、入荷しました。
WORKERSのツールバッグが、久しぶりに復活しました。
しかも今回は、ずっと作りたかったというオールブラックも一緒に。舘野さん本人が「悲願でした」と書いてくるくらいなので、相当な思い入れがあるようです。
Ecru×Black 正面 Black×Black 正面
左がEcru x Black、右がBlack x Black。今回入荷した2色です。
WORKERSってどんなブランド?
WORKERSは、岡山を拠点にアメリカンカジュアルをベースにした服を作るブランドです。デザイナーの舘野高史氏は、ヴィンテージアイテムに対する知識と研究心が並外れていて、そこから生まれるアイテムはどれも「時代を越えて使いたくなるもの」ばかり。
フナナカ洋装店でもLot 801のジーンズやサーマルを扱っていますが、どれも作り込みの理由がきちんと説明できる服です。
このツールバッグも、例外ではありません。
そもそも、ツールバッグとは?
「ツールバッグ」という名前ですが、このかたちのトートはもともと、氷や薪を運ぶための道具袋として生まれたものです。
分厚い帆布、自立する構造、肩に掛けられる長い持ち手。すべて「重いものを雑に運ぶ」ための仕様でした。アメリカ東海岸のアウトドアブランドが定番として売り続けているあのバッグ、と言えば、たぶん頭に浮かぶと思います。
そのかたちを、WORKERSが今作れる最高品質で作り直したのが、このツールバッグです。

同じに見えて、中身は全部違う
昔からWORKERSを知っている方なら、「あ、あのバッグか」と思うかもしれません。
でも舘野さん曰く、ぱっと見は以前のものと同じに見えて、生地・工場・縫製糸・ネーム・テープ、すべてが違うそうです。名前とシルエットは引き継ぎつつ、中身は完全に作り直されています。

セルビッジへのこだわりを捨てる
以前のツールバッグは、セルビッジ(耳)付きの生地にこだわって作られていました。ただ、こだわりすぎた結果「この織布工場でしか作れない」という状態に陥っていたそうです。そしてその工場は、すでに廃業してしまった。。。
そこで舘野氏は、今回から方針を変えました。安定して仕入れられる生地を前提にしたうえで、セルビッジ以上のものを目指す。
一番の問題は脇の処理でした。
セルビッジを使わないなら、生地端を折るか、ロックミシンで始末するしかない。折って縫う方が断然きれいですが、縫製の難易度が跳ね上がります。
探して探して見つかったのが、舘野さんのお父さんの故郷の隣町にあった工場でした。そこの社長がミシンやラッパ(生地を折りながら縫うためのアタッチメント)が大好きな方で、話が合ったそうです。工賃はかなりかかるそうですが、安心して頼めていると。
脇の折り返しが、骨になる
この脇を折って縫った部分が、実は構造上の役割を果たしています。
折り返しが骨のようになり、中身が空でもバッグが自立するんです。トートバッグって、自立するかどうかで使い勝手がまったく変わりますよね。床に置いたときにくたっと倒れないだけで、日常のストレスがひとつ減ります。
本体は4号帆布(約23.5オンス)、底は6号帆布(約19オンス)。数字だけ見てもピンと来ないかもしれませんが、相当しっかりした厚みです。普通のミシンではまず縫えません。

底の真ん中に継ぎ目がある理由
底をよく見ると、真ん中につなぎが入っています。
これ、デザインのアクセントに見えますが、もともとは幅の狭い生地で三角部分にセルビッジを使うための工夫だったそうです。今回はセルビッジを使っていませんが、その名残をあえて残している。
工場からは「硬くて大変!工賃かかるよ!」と言われているそうですが、それでも舘野氏は残す判断をしました。こういうところに作り手の矜持?意地?が出ますし、そういう気概があるブランドが大好きです。

テープを探し歩いて・・・
持ち手のテープは、綿スフ(ステープルファイバー、つまりレーヨン)製です。
これを探し当てるのにも苦労したそうで、とにかく分厚い。アクリルテープでも試作したものの、テープのゴツさがまったく違ったとのこと。単価は高く、定番色は生成りしかない。それでも綿スフにこだわりました。
縫製糸はポリエステルの太番手で、撚り戻りしないように表面コーティングされています。細かいところまで、ちゃんと理由があるんです!
配色は底だけ
Ecru x Blackの方は、底だけを黒にした配色です。
舘野さんによると、最初はテープも黒にしてみたそうです。でも「ちょっとデザインしすぎに見えた」ということで、いつもの通り底だけの配色に落ち着いたと。
そして「ステッチがあえて黒に白なのがポイント」とも書かれていました。黒い底に白い縫製糸が走ることで、ステッチがくっきり見える。こういう引き算と足し算のバランス感覚が、WORKERSらしいところです。
白と黒、いわゆるパンダカラーというやつですね。

どちらを選びますか?どちらも選びますか?
2色で、性格がはっきり分かれています。
Ecru x Blackは、育てる一本です。
生成りの帆布は使い込むほどに色が深まり、汚れやアタリがそのまま風合いになっていきます。黒い底に走る白い色糸のステッチも、少しずつ馴染んでいく。どんな服装にも合わせやすいので、一つ目のトートとして間違いがない配色です。

Black x Blackは、黒であり続ける一本です。
以前のツールバッグにも黒はありましたが、あれは製品染め——つまり完成したバッグを染める方法でした。今回はすべてのパーツを、部品の段階から染めています。
テープは反応染め。極厚の綿スフテープを、わざわざ別に染めています。生地も染め。ネームに至っては、黒いベース布を用意して白でプリントするという手間のかけよう。最初は逆版(白地に黒を刷る方法)を試したそうですが、黒の面積が多すぎてうまくいかなかったため、黒いベース布から用意したそうです。
製品染めの黒は、摩擦で表面の色が落ちやすい。対して部品から染めた黒は、色が安定しています。持ち手や角が白茶けにくい。「悲願でした」という舘野さんの言葉には、そういう意味が込められていると思います。
全パーツが染めなので、当然ながら原価が上がってしまいます。
Ecru x Blackが¥19,800なのに対して、Black x Blackが¥22,000。
Black x Blackの材料へのコダワリなどを考えると、そりゃ価格は高くなるよね、と。

サイズと仕様
素材:COTTON 100%
本体:4号帆布(約23.5オンス)
底:6号帆布(約19オンス)
サイズ:底幅31cm × 高さ30cm × 奥行18cm
※上に向かってテーパードするので、口の部分は最大40cmほど
持ち手:60cm(肩掛け可能)
外側に片面ポケットあり
MADE IN JAPAN

Tool Bag, Medium-Long Handle, Ecru x Black ¥19,800(税込)
Tool Bag, Medium-Long Handle, Black x Black ¥22,000(税込)
フナナカ洋装店としての一言
トートバッグって、世の中にいくらでもあります。
でもこのツールバッグは、廃業した工場のこと、新しく見つけた工場の社長さんのこと、テープを探し歩いた話、ネームの逆版がうまくいかなかった話、全部ひっくるめて一つのバッグになっている。そういうものを持ちたい人が、たぶんいるはずです。
私も早速自分用に1つ購入しましたが、本当に生地がごつくて、ガンガン使えています!
普段は車生活なので、このサイズのバッグが本当にちょうど良いんです。
迷う方は、店頭でどうぞ。触ってみれば、たぶん決まります。
フナナカ洋装店
店主



コメント